運転中はBluetoothイヤホンマイクで快適音声入力

iPhoneに限らず、スマホを声(音声)でコントロールできるのは有名ですが、実際にやったことはあるでしょうか。ひょっとすると、そもそもやろうと思わない人がほとんどかもしれません。自宅にいるときならともかく、外出先では、恥ずかしくてトライする気にならないのが実情ではないでしょうか。

意外と効率的な音声コントロール

やってみればわかりますが、音声でiPhoneを操作する音声コントロールは、意外と効率的です。例えば、アプリの切り替え。手でiPhoneを操作するジェスチャーコントロールでは、まずAppスイッチャーを開いて、切り替えたいアプリを探してタップします。それに対して、音声コントロールの場合は「Hey Siri、〇〇に切り替えて」などと話しかけるだけ。切り替えたいアプリが見つからなくて、右に左にスワイプしたりすることを考えると、ダイレクトに切り替えられて、なかなかスマートです。

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テキスト入力をするときも、音声入力だとスムーズにできる場合があります。音声をうまく認識してもらうには、入力する文章を少し工夫する必要がありますが、LINEなどでちょっとしたメッセージを返すときに、なかなか重宝します。

クルマの中なら声でコントロールも恥ずかしくない

この音声入力、イマイチ普及してないイメージなんですが、そもそもiPhoneは手で操作するものだし、それ以前に人前でiPhoneに話しかける恥ずかしさに耐えられないのが大きいと思います。でも、クルマの中だと、人の目はそれほど気になりません。また、運転中にiPhoneを手で操作するのはご法度ですし、ホルダーに固定していても、運転中だと操作はかなり面倒です。

実はタクシーの仕事中でも、iPhoneをいろいろな場面で利用していますが、音声入力を便利に活用しています。

騒音に邪魔されるとうまくいかない音声認識

運転中の音声入力で困るのは、騒音がうるさいときです。iPhoneはホルダーでエアコン吹き出し口に固定していますが、エアコンの風の音も厄介です。また、Face IDはギリギリうまく認証できる距離ですが、口元から微妙に離れていて、ちょっと声が届きにくい距離です。それでも、停車中ならそれほど問題はありません。ただ、走行中とか、周囲の騒音が大きいときは、うまく認識されなくなってしまいます

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音声コントロールなら、再び話しかけるだけでやり直しができますが、テキスト入力の場合は、間違って認識されたテキストを消去しなければなりません。これがなかなか面倒で、うまくいかなくてイラつくのと、最初から手で入力するほうがマシと思えるくらい問題です。

マイクがあれば問題は解決すると思うけど...

同じセリフを発話しても、うまく認識されるときとそうでないときがあります。違いはやはり騒音のようで、騒音がある中でも使えるようにするなら、マイクを利用する方法があります。マイクを使えば、少し離れた場所にあるiPhoneの内蔵マイクよりは、状況が改善するはずです。

ただ、どのくらいマシになるのかは未知数です。せっかくマイクを買ってみたものの、大して改善しないのでは意味がありません。とりあえず、AirPods Proで試してみたところ、すこぶる快適に音声認識してくれることがわかりました。

AirPods Proは、両耳で使うイヤホンマイクですが、ノイズコントロールを「外部音取り込み」で利用すれば、運転中でもそれほど違和感はありません。しかし、お客さんが乗ったときのことを考えると、左耳にはイヤホンを装着したくないところです。右耳だけで利用することも可能ですが、バッテリーの片減りが気になるのと、そもそもイヤホン機能は不要ということもあって、AirPods Proの利用はちょっと現実的ではありません。

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理想的には、胸元に着けるピンマイクが最高です。加えて、頻繁にクルマの乗り降りがあるので、やはりワイヤレスタイプであることが必須。Bluetooth接続のピンマイクなんて、いくらでもありそうに思ってましたが、これがなかなか存在しません。ビデオ録画用に使うタイプをいくつか見つけましたが、どれも1万円オーバー。たかだか音声入力のためだけに、そんなに予算はかけたくありません。ピンマイクはあきらめて、ヘッドセットやイヤホンマイクにも範囲を広げていろいろ探してみました。

通話用のBluetoothイヤホンマイクは価格が手頃

ヘッドセットだと仰々しいし、音楽用のイヤホンは片方が無駄になります。だんだんと通話用のイヤホンマイクに傾いてきましたが、実はこれが価格的にも手頃。ただ、タクシー運転手の中には、電話で仲間と通話しながら仕事している人もいて、そんな人たちが使っているタイプは「いかにも」なので、ちょっと避けたいという気持ちもあります。そんな中で、気になったのがコチラです。

とにかく小型で軽量なのとコンパクトなマグネット式の充電器が最高

このイヤホンマイク、見た目がほとんど「補聴器」で、とにかく小さいです。しかも軽量。ワイヤレスだと、バッテリーを搭載するので重くなりがちですが、まったくそれを感じさせません。あまりに小さいので、口元からの距離が遠くなり、肝心のマイク性能への影響が心配になるくらいです。

また、充電器はUSB端子に直付けするタイプで、本体と同様にコンパクト。しかも、マグネット式なので、イヤホンマイクを置くだけで簡単に充電することができます。これが実にスマートで、魅力的ですね。クルマの中で使用する場合、シガーライターのソケットに車載充電器を挿し込み、そこにイヤホンマイクの充電器を挿します。シガーライターのソケットがちょうどいい場所にあるので、イヤホンマイクを外してサッと置けば充電できます。

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ちょっと慣れが必要?Bluetooth経由だとレスポンスが遅延する

「Hey Siri」を利用したことがある人ならわかると思いますが、「Hey Siri」と話しかけたあと、iPhoneから「ポポン」と音がして命令を聞き取る状態になります。この一連のレスポンスが、Bluetoothイヤホンを使うと少し遅延します。これは、AirPods Proを使ってみたときにも感じましたが、このイヤホンの場合はその遅延がさらに大きくなりました。ちょっとじれったいレスポンスですが、毎回同じなので、慣れれば大きな問題ではないかもしれません。

肝心の音声認識はどう変わった?

さすがにAirPods Proと比べると、正確性は若干落ちてしまいますが、未使用時と比べれば、音声認識の精度はかなり改善しました。まったく関係ない文章に変換されて、イラつくことがほとんどなくなっています。利用する価値は十分にありますね。

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ミニマムサイズで、つけ心地はナチュラル。外したあと、手が届くところにサッと置くだけで充電。ちょっとレスポンスが悪いけど、それなりにしっかり声を聞き取ってくれるワイヤレスイヤホンです。車載充電器とワイヤレス充電ホルダーとセットで使えば、運転中の快適な音声コントロール環境が手軽に作れますよ。